MUKU-DATA  大工さんの現場 新潟市西蒲区

大工さんがフルリノベーションしている現場を見せてもらった。
(ところで最近耳にするリノベーションって?改革って何?と思って調べたら
リフォームはマイナスの状態をゼロに戻す機能回復に対して、
リノベーションはプラスα新たな機能や価値を向上させるとある。
へぇ・・ でもリフォームと謳っている工事業者さんもゼロ+αは当たり前のようになされているので、個人的にはどちらでもいいやって感じで
言葉より工事内容の質が問題なのはいうまでもなく。。。わたしら世代だと改築、改装工事かな・・😓)

材木屋なので、どうしても使われている材、数十年経過した躯体の材料の状態に
目がいくが、基本的にはどこも通気が良ければ30年、50年と経過しても
躯体はまだまだ全然傷んでいない。
材料が痛んでいる事が多いのは
タイルで作られた浴室廻り(浴室~隣接する洗面脱衣)と
タイルが貼られている玄関廻り
この辺は通気が取れないので白アリにやられている事が目につく。
床下通気が悪いところや、常に湿気のある床下などは床下地の大引き、根太、下地合板等が傷んでいることもある。
他は過去に屋根の雨漏りがあって長く放置していると母屋・タルキ辺りが
少々傷んでいることもあるが大勢に影響は少ない。
(その個所のみ取り替えれば済むこと)
大工さんがフルリノベーションしているここの現場も
全てを取り払い躯体が露わになり、2Fは取り除き平屋へと改築中で
40~50年経過したと言っていたが構造である土台、柱、梁、桁と何も問題がないことがわかる。

時々目にする家屋の解体現場で油圧ショベルに挟まれ
表面は経年変化で黒ずんでいる材でも引き千切られる際のバキバキと響く音、
折られた部分のまだ何も傷んでいない材木の中身の色など見ながら
勿体ないなぁ・・と思うしどこか心が痛む。

『意匠(いしょう)』という木造建築のデザインで使われる言葉は
「匠(大工)」が「意図する(考えた)」という意味からきているらしい。
私が材木屋になった頃は、(30年ほど前は)
新築する際、改築する際「大工にお願いする」という選択肢がまだ皆さんの中にあったが
しばらくしてから、手を動かして自ら作れる大工さんにお願いする人、
大工さんが一括請け負い、元請けとなる事が極端に減ってしまった。。

ところが最近、若い30代の大工さんで
新築~改築、家具工事等を含め、お客様の要望を的確にくみとりながら
自らの手を動かしセンス良く形にしていく若い大工さんが何人か目につくようになっている。
技術が高い人もいるし、センスで勝負している人もいるし、
どちらも持っているいる人もいる。
塗装もするし、建具も家具、木の小物なども作るといった
何でも一人で行うスーパー大工さんみたいな人もいる。
そんな大工さんたちの活躍できる場がもっと増えていけば、
この業界もっと面白くなるだろうなぁ・・と思いつつ願っている。